雨水(うすい)とは?2027年はいつ?旬の食材と暮らしで愉しむ二十四節気
二十四節気のひとつ「雨水(うすい)」は、厳しかった冬の寒さが和らぎ、自然が静かに春へと向かい始める節目です。降り積もっていた雪は次第に雨へと変わり、凍っていた大地はゆっくりと水分を含み、命を育む準備を始めます。
この時期は、目立った変化こそ少ないものの、土の匂いや空気のやわらかさ、日差しの角度など、五感を通して春の兆しを感じ取ることができます。食卓には春の旬が並び始め、暮らしの中にも少しずつ明るい色彩が戻ってくる頃です。
本記事では、「雨水とは何か」「いつ訪れるのか」といった基本情報から、七十二候で見る自然の変化、旬の食材、暮らしへの取り入れ方、季節の変わり目に気をつけたいポイントまでを、わかりやすく丁寧に解説します。
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雨水(うすい)とは|二十四節気が示す春の入り口
雨水は、二十四節気の2番目に位置する節気で、立春の次に巡ってきます。その名の通り「雪が雨へと変わり、氷や霜が解け、水となって大地を潤し始める頃」を意味します。暦の上では春に入っていても、実際には寒さが残る時期ですが、自然界では確実に季節の転換が進んでいます。
古来、日本では雨水を農耕準備の目安としてきました。雪解け水が土に染み込み、田畑を耕しやすくなるこの時期は、種まきや農作業を始める重要な節目とされてきたのです。雨水は単なる季節の名前ではなく、人々の暮らしと密接に結びついた「自然からの合図」とも言えるでしょう。
雨水はいつ?【2027年の雨水の日】
二十四節気は太陽の運行に基づいて決められているため、毎年日付が固定されているわけではありませんが、雨水は例年2月18日または19日になります。
2027年の雨水:2月19日
雨水の期間は、次の節気「啓蟄(けいちつ)」の前日まで。この期間はおよそ15日間とされていますが、年によって1日程度前後することもあります。まだ寒さが残りながらも、日ごとに春が近づいてくるのを感じられる時期です。
雨水と立春・啓蟄の違い
雨水を理解するうえで欠かせないのが、前後の節気との関係です。立春は「春が始まる」という暦の上での宣言であり、自然の変化はまだ控えめです。一方、雨水になると雪解けが進み、水という具体的な変化として春の兆しが現れ始めます。
さらに次の節気である啓蟄では、冬ごもりしていた虫や生き物が地上へと姿を現します。立春が“予告”、雨水が“準備”、啓蟄が“始動”と捉えると、春の移ろいを段階的に理解しやすくなります。雨水は、まさにその中間点として、春の訪れを確かなものにする役割を担っているのです。
七十二候で見る雨水の自然の変化
雨水の時期は、七十二候では三つに分けられ、約5日ごとに移ろう自然の様子が表現されています。
土脉潤起(つちのしょう うるおいおこる)
雨水の初候。冷たい雪が雨へと変わり、乾いていた大地がゆっくりと潤い始めます。土の中では草木が目覚め、芽吹きの準備が静かに進んでいます。湿った土の香りは、春が近いことを知らせる自然からのサインです。
霞始靆(かすみ はじめて たなびく)
次候は春霞の季節。空気中の水蒸気が増え、山や遠くの景色がやわらかく霞んで見えます。冬の澄みきった空とは異なる、春特有の穏やかで幻想的な風景が広がります。
草木萌動(そうもく めばえいずる)
雨水の末候は、草木がいよいよ芽吹き始める頃。ふきのとうやつくしが土の中から顔を出し、木々の枝先には小さな新芽が膨らみます。春の生命力を最も感じられる時期です。
雨水の時期に楽しみたい旬の食材
春の訪れを告げる山菜・野菜
雨水の頃から、春ならではのほろ苦さや清々しい香りを持つ山菜や野菜が出回り始めます。自然の生命力を感じさせる旬の恵みは、食卓に彩りと活気をもたらし、心豊かな春の訪れを演出してくれます。
ふきのとう

雪解けの合間から顔を出すふきのとうは、春を告げる一番手。その独特のほろ苦さと清々しい香りは、まさに春の息吹そのもの。天ぷらで香りを閉じ込めたり、細かく刻んでふき味噌に仕立てて熱々のご飯に乗せたり、和え物や汁物のアクセントとして使うのも、季節の贅沢な味わい方です。栄養価も豊富で、季節の変わり目に体を整えてくれるでしょう。
たらの芽

山菜の王様とも称されるたらの芽は、ほのかな苦味とねっとりとした食感が魅力。天ぷらはもちろんのこと、軽く茹でておひたしにすれば、その上品な味わいが際立ちます。素揚げにして塩を軽く振るだけでも、たらの芽本来の旨みを存分に楽しめ、春の食卓に洗練された一品を添えてくれます。
春キャベツ

冬を越して甘みを蓄えた春キャベツは、葉が柔らかく瑞々しいのが特徴。生で食べればその甘みとシャキシャキとした食感が楽しめ、加熱するとさらに甘みが増してとろけるような口当たりに。コールスローやサラダでシンプルに味わうのはもちろん、ロールキャベツや炒め物、煮込み料理にも最適で、食卓を優しく彩ります。
菜の花
鮮やかな緑と黄色のコントラストが目に美しい菜の花は、食卓に春の訪れを鮮やかに告げます。ほのかな苦味とシャキシャキとした歯ごたえは、おひたしや和え物でシンプルに味わうのが定番で
すが、パスタや炒め物、生春巻きなどに入れると彩り豊かな一皿になります。春らしい香りと共に、食欲をそそる一品です。
旬の食材は栄養価が高く、季節の変わり目で揺らぎやすい体を内側から整えてくれます。
雨水に美味しい魚介類
海の幸もこの時期から旬を迎えます。
二十四節気の「雨水」は、雪解け水が山から里へと流れ込み、海にも恵みをもたらす頃。この時期から海の幸も徐々に種類を増やし、食卓に春の訪れを感じさせてくれます。
ハマグリ

ひな祭りにも欠かせないハマグリは、この時期に身が最もふっくらとします。潮汁や酒蒸しにすることで、そのものから出る滋味深く澄んだ出汁を心ゆくまで味わえ、春の宴を彩ります。
アサリ

春先と秋に身入りのピークを迎えるアサリは、ふっくらとした食感と濃厚な旨みが特徴で、定番の味噌汁やボンゴレパスタはもちろん、酒蒸しやバター炒めにしても、その豊かな風味を存分にお楽しみいただけます。
サワラ

特に西日本で古くから春を告げる魚として親しまれるサワラは、冬に特に脂がのり「寒鰆」として珍重されますが、春にはまた異なるさっぱりとした上品な味わいが楽しめます。塩焼きや照り焼きでその繊細な身質を堪能するのも良いですが、新鮮なものはとろけるような刺身や、京都の料亭でも供される西京焼きも絶品です。
暮らしのしつらえで雨水を感じる
雨水に雛人形を飾る意味
「雨水に雛人形を飾ると良縁に恵まれる」という言い伝えがあります。雪解け水が命を育む時期であることから、健やかな成長や幸せな結婚を願う意味が重ねられてきました。雪解けや雨によって湿度が上昇傾向にあり、また変動しやすい時期でもあるため、実用面から見ても理にかなった習慣です。
春の花と器で季節感を演出
桃や梅、菜の花、チューリップなどを飾ることで、住空間に一足早い春が訪れます。器は白磁や淡い色合い、ガラス素材を選ぶと、食卓が軽やかで春らしい印象になります。
雨水の時期に気をつけたい体調管理と花粉対策
雨水の頃は「三寒四温」と呼ばれるように寒暖差が大きく、自律神経が乱れやすい時期です。重ね着で体温調節を行い、首・手首・足首を冷やさない工夫を意識しましょう。
また、地域によってはすでにスギ花粉の飛散が始まり、本格化している時期でもあるため、マスクや衣類の花粉対策、室内環境の整備など、早めの行動が快適な春につながります。
まとめ|雨水を知り、心豊かな春を迎える
雨水は、自然と暮らしが静かに春へと向かう準備期間です。旬の食材を味わい、花や器で季節感を取り入れ、身体を労わることで、春はより心地よいものになります。
二十四節気「雨水」を意識した丁寧な暮らしは、日常に小さな豊かさをもたらしてくれるはずです。

